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会社設立後の青色申告承認申請書とは?提出期限・書き方・節税メリットを税理士が徹底解説

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会社設立後には、法人設立届出書や社会保険関連など、さまざまな手続きが必要になります。その中でも特に重要なのが「青色申告承認申請書」です。これは単なる税務上の届出ではなく、赤字の繰越や節税、金融機関からの信用力向上など、今後の会社経営に大きく関わる制度でもあります。しかし実際には、「いつまでに提出すればいいの?」「出さないとどうなる?」「書き方が分からない」と悩む経営者も少なくありません。

この記事では、会社設立後に提出する青色申告承認申請書について、提出期限・書き方・メリット・注意点まで、税理士の視点からわかりやすく解説します。

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この記事の目次

青色申告承認申請書とは?

会社を設立すると、税務署へさまざまな届出を提出する必要があります。その中でも特に重要な書類のひとつが「青色申告承認申請書」です。名前だけを見ると難しく感じるかもしれませんが、簡単に言えば「法人として青色申告を行うための申請書」のことを指します。

法人は、この申請を提出しなければ自動的に白色申告扱いとなり、本来受けられるはずの税務上のメリットを利用できません。特に会社設立直後は、設備投資や広告費、人件費など先行コストがかかりやすく、利益が安定するまで時間がかかるケースも多いため、青色申告制度を活用できるかどうかは今後の経営に大きな影響を与えます。

ここでは、青色申告承認申請書の基本的な意味や役割、白色申告との違いについて詳しく解説します。

法人の「青色申告」とは何か

青色申告とは、一定のルールに基づいて帳簿を作成・保存する代わりに、税務上のさまざまな特典を受けられる制度です。個人事業主の制度として知られている印象がありますが、法人にも青色申告制度があります。

法人の場合、青色申告を行うことで、代表的には以下のようなメリットがあります。

⚫︎ 赤字を翌年度以降に繰り越せる
⚫︎ 欠損金を活用した節税ができる
⚫︎ 信頼性の高い決算書を作成しやすい
⚫︎ 金融機関からの評価につながりやすい

特に創業期の会社では、初年度から黒字になるケースばかりではありません。むしろ、広告宣伝費や設備投資、人材採用などによって赤字になる企業も少なくありません。その際、青色申告であれば赤字を翌年度以降へ繰り越すことができ、将来の利益と相殺できる可能性があります。

つまり、青色申告は単なる「税金対策」ではなく、会社の資金繰りや経営安定にも関わる重要な制度なのです。

青色申告承認申請書の役割

青色申告承認申請書は、「青色申告を適用したい」と税務署へ申請するための書類です。

法人を設立しただけでは、自動的に青色申告になるわけではありません。所定の期限までに税務署へ申請を行い、承認を受けることで初めて青色申告が適用されます。
逆に言えば、期限内に提出しなかった場合、その事業年度は白色申告となります。後から「やはり青色申告にしたい」と思っても、その期については原則として適用できません。

この点は、設立直後の経営者が特に注意すべきポイントです。会社設立時は、法人設立届出書や銀行口座開設、社会保険手続き、営業準備など、やるべきことが非常に多くなります。そのため、青色申告承認申請書の提出を後回しにしてしまい、気づいた時には期限を過ぎていたというケースも少なくありません。

また、青色申告を適用するには、複式簿記による帳簿作成や領収書保存など、一定の会計管理が必要になります。しかしこれは単なる「税務署のための作業」ではなく、会社のお金の流れを把握し、経営状態を正しく理解するためにも重要です。

実際、成長している会社ほど、数字管理を早い段階から整備している傾向があります。青色申告の仕組みは、経営管理の基盤づくりにもつながっているのです。

白色申告との違い

青色申告を理解するうえで、白色申告との違いを知っておくことも重要です。
白色申告は、青色申告承認申請書を提出していない法人が適用される申告方法です。青色申告に比べると帳簿管理の負担は軽い一方で、税務上のメリットは大きく制限されます。

特に大きな違いが、「欠損金の繰越」です。

青色申告法人であれば、赤字を最長10年間繰り越せるため、将来黒字化した際に利益と相殺できます。しかし白色申告では、この制度を利用できません。

たとえば、創業初年度に大きな設備投資を行い赤字になった場合でも、青色申告なら将来の法人税負担を軽減できる可能性があります。一方、白色申告ではそのメリットを受けられず、結果的に税負担が重くなるケースがあります。また、金融機関が融資審査を行う際には、帳簿や決算書の整備状況を重視する傾向があります。青色申告によって適切に会計管理されている会社は、数字の信頼性が高まり、融資相談でもプラスに働きやすくなります。

つまり、青色申告と白色申告の違いは、「税金だけ」の話ではありません。会社の信用力や経営管理、将来の資金調達にも影響する重要な違いなのです。

そのため、会社設立後は単に「提出書類をこなす」という感覚ではなく、「今後の経営基盤を整える」という視点で、青色申告承認申請書を準備することが大切です。

法人が青色申告を選ぶ5つのメリット

青色申告承認申請書を提出する最大の理由は、法人経営において大きなメリットを受けられる点にあります。特に会社設立直後は、資金繰りや利益管理が不安定になりやすいため、青色申告制度を活用できるかどうかで、今後の経営の安定性が大きく変わることもあります。

「節税のための制度」というイメージを持たれがちですが、実際にはそれだけではありません。青色申告は、経営数字を整理し、金融機関からの信頼性を高め、会社を成長させるための経営基盤にもつながる制度です。

ここでは、法人が青色申告を選ぶ代表的な5つのメリットについて解説します。

赤字を10年間繰り越せる

青色申告の代表的なメリットが、「欠損金の繰越控除」です。

会社経営では、毎年必ず黒字になるとは限りません。特に設立初年度や創業間もない時期は、広告宣伝費や設備投資、人件費などが先行し、赤字になるケースも多くあります。

青色申告法人であれば、その赤字を最長10年間繰り越すことができます。つまり、将来黒字化した際に、その利益と過去の赤字を相殺できるため、法人税の負担を軽減できる可能性があります。

たとえば、初年度に500万円の赤字、翌年度に700万円の黒字が出た場合、青色申告であれば赤字分を差し引いた200万円に対して課税されるイメージです。

創業期はどうしても資金負担が大きくなるため、この制度を活用できるかどうかは、会社のキャッシュフローにも大きく影響します。逆に、白色申告ではこの制度を利用できないため、「赤字なのに将来の税負担軽減につながらない」という状態になってしまいます。

帳簿管理が整い、経営数字を把握しやすくなる

青色申告では、複式簿記による帳簿作成が求められます。一見すると「面倒な作業」に感じるかもしれません。しかし実際には、この会計管理こそが会社経営において非常に重要です。

創業初期の会社でよくあるのが、「売上は増えているのにお金が残らない」というケースです。これは、利益と資金繰りを正しく把握できていないことが原因になることも少なくありません。

適切に帳簿を作成している会社は、
⚫︎ どの事業が利益を生んでいるか
⚫︎ 毎月どれくらい固定費がかかっているか
⚫︎ 資金繰りは安全か
⚫︎ 無駄な支出はないか
といった経営状況を数字で把握できるようになります。

つまり、青色申告は単なる「税務対応」ではなく、会社のお金を見える化する仕組みでもあるのです。特に近年は、融資や補助金申請でも試算表や財務資料の提出を求められるケースが増えており、日頃から数字管理を行っている会社ほど有利になりやすい傾向があります。

金融機関からの信用力向上につながる

会社経営では、資金調達が重要になる場面があります。創業融資、設備投資、新規出店、人材採用など、事業拡大には資金が必要です。その際、金融機関が重視するのが「決算書の信頼性」です。

青色申告を行っている会社は、一定の会計ルールに基づいて帳簿を作成しているため、金融機関から見ても経営状況を把握しやすくなります。
一方で、帳簿管理が曖昧な会社は、「数字管理ができていない会社」と判断されることもあり、融資審査で不利になる可能性があります。

特に創業間もない会社は、実績よりも「経営管理体制」を見られるケースも少なくありません。そのため、青色申告によって日頃から正確な会計処理を行っておくことは、金融機関との信頼関係づくりにもつながります。

単に「税金を減らすため」ではなく、「会社の信用を高めるため」にも青色申告は重要なのです。

税務調査リスクを下げやすい

青色申告を行うためには、帳簿や領収書を適切に保存する必要があります。
これは裏を返せば、「税務署から見ても経理体制が整っている会社」と評価されやすいということでもあります。

もちろん、青色申告だから税務調査が来ないというわけではありません。しかし、日頃から適切な会計処理を行っている会社は、調査時にも説明がしやすく、不要なトラブルを防ぎやすくなります。逆に、領収書が整理されていなかったり、プライベート支出と会社経費が混在していたりすると、税務上の指摘を受けやすくなることがあります。

特に会社設立直後は、「どこまで経費にできるのか分からない」というケースも多いため、早い段階で会計ルールを整備しておくことが重要です。

税務対策は、問題が起きてから対応するのではなく、問題が起きにくい状態を作ることが大切だと言えるでしょう。

“節税”より重要なのは経営管理ができること

青色申告というと、「節税メリット」に注目されることが多くあります。もちろん、欠損金繰越などの税務メリットは非常に大きなものです。
しかし、本当に重要なのは「会社のお金を正しく管理できる体制を作れること」にあります。

経営が不安定になる会社の多くは、「利益が出ているか分からない」「資金繰りを把握できていない」「数字を見ずに経営判断している」という課題を抱えています。

一方、成長している会社ほど、毎月の数字を確認し、利益率や資金状況を把握しながら経営判断を行っています。
青色申告は、そのための第一歩です。
つまり、青色申告承認申請書は単なる税務書類ではなく、会社経営を数字で管理するための入口とも言えるでしょう。創業初期だからこそ、単なる届出として終わらせず、今後の経営基盤づくりという視点で準備を進めることが重要です。

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青色申告承認申請書の提出期限

特に会社設立直後は、法人設立届出書や社会保険、銀行口座開設、営業準備など対応すべきことが多く、青色申告承認申請書の提出が後回しになりやすい傾向があります。しかし、後から「知らなかった」「忘れていた」と気づいても、原則として遡って適用することはできません。

ここでは、法人の青色申告承認申請書の提出期限と、出し忘れた場合の影響、実務上の注意点について解説します。

提出期限は「設立から3か月以内」が原則

法人設立後の青色申告承認申請書は、原則として次のいずれか早い日の前日までに提出する必要があります。

⚫︎ 設立の日以後3か月を経過した日の前日
⚫︎ 最初の事業年度終了日の前日

たとえば、3月1日に会社を設立し、事業年度末を12月末に設定した場合、提出期限は「6月1日の前日」となります。一方で、事業年度末を4月末に設定している場合は、「4月末日の前日」が期限になります。

つまり、会社ごとに提出期限が異なるため、「まだ大丈夫だと思っていたら期限を過ぎていた」というケースも少なくありません。また、設立日を基準に計算する点も注意が必要です。営業開始日や銀行口座開設日ではなく、「登記上の会社設立日」が基準になります。

会社設立直後は、税務手続きを後回しにしてしまいがちですが、青色申告承認申請書は優先的に対応すべき届出のひとつと言えるでしょう。

期限を過ぎるとその期は白色申告になる

青色申告承認申請書は、期限を過ぎても提出自体は可能です。しかし、提出が遅れた場合、その事業年度については青色申告が適用されません。

つまり、その期は白色申告扱いとなり、青色申告のメリットを受けられなくなります。
特に影響が大きいのが、「欠損金の繰越控除」です。

創業初年度は、設備投資や広告費、人件費などで赤字になるケースも多くあります。本来であれば、その赤字を翌年度以降へ繰り越し、将来の利益と相殺できる可能性があります。しかし、白色申告ではこの制度を利用できません。

たとえば、創業初年度に300万円の赤字が発生したとしても、青色申告の承認を受けていなければ、その赤字を将来の節税に活かせなくなってしまいます。また、金融機関によっては、創業初年度の決算内容や会計管理状況を重視するケースもあります。設立初期から適切な会計体制を整えておくことは、将来の融資や資金調達にも影響する可能性があります。

そのため、「今は利益が出ていないから関係ない」と考えるのではなく、将来を見据えて早めに提出しておくことが重要です。

設立直後に出し忘れやすい理由

実際には、青色申告承認申請書を出し忘れる会社は少なくありません。その理由のひとつが、「会社設立後はやることが多すぎる」という点です。

法人設立後には、
⚫︎ 法人口座の開設
⚫︎ 社会保険加入
⚫︎ 税務署への各種届出
⚫︎ 名刺・ホームページ作成
⚫︎ 営業開始準備
⚫︎ 資金調達
など、多くのタスクが一気に発生します。

特に初めて会社を設立した経営者の場合、「何をいつまでに提出すべきか分からない」というケースも多く、青色申告承認申請書の存在自体を後から知ることもあります。また、「税理士へあとで相談しようと思っていた」「利益が出てから考えればいいと思っていた」という理由で、提出期限を過ぎてしまうことも珍しくありません。

しかし、会社経営において重要なのは、利益が出てから整備するのではなく、早い段階で土台を作ることです。

特に創業期は、資金繰りや経営判断が不安定になりやすい時期でもあります。だからこそ、会計管理や税務体制を早めに整えておくことが、将来的な経営安定につながります。

電子申請(e-Tax)でも提出可能

現在では、青色申告承認申請書はe-Taxを利用した電子申請にも対応しています。

以前は税務署窓口へ直接持参したり、郵送で提出したりするケースが一般的でしたが、近年は電子申請を利用する法人も増えています。

e-Taxを利用すれば、
⚫︎ 税務署へ行く必要がない
⚫︎24時間提出可能
⚫︎ 控えデータを保存しやすい
といったメリットがあります。

特に創業初期は、営業活動や各種準備で忙しくなりやすいため、オンラインで手続きできるのは大きな利点です。

ただし、電子申請であっても提出期限が延長されるわけではありません。提出日時によっては期限超過扱いになる可能性もあるため、余裕を持って対応することが重要です。また、提出後は「送信しただけ」で安心せず、受付結果や控えデータを必ず保存しておきましょう。後日、「提出していない扱いになっていた」というトラブルを防ぐためにも、証拠を残しておくことが大切です。

青色申告承認申請書は、数ある会社設立後の手続きの中でも、今後の税務・資金繰り・経営管理に直結する重要な届出です。単なる事務作業として考えるのではなく、「会社経営の基盤づくり」という視点で、早めに準備を進めることが重要と言えるでしょう。

青色申告承認申請書の書き方

青色申告承認申請書は、会社設立後に提出する重要な税務書類ですが、記載内容自体はそれほど複雑ではありません。実際、記入項目は限られており、法人設立届出書や登記簿謄本を見ながら進めれば作成できます。
しかし一方で、設立日や事業年度などを誤って記載してしまうケースも少なくありません。特に会社設立直後は、税務手続きに慣れていない経営者も多く、「なんとなく記入した結果、後から修正が必要になった」ということもあります。また、青色申告承認申請書は単に“提出すれば終わり”ではありません。会社の会計管理や今後の税務運営にもつながるため、基本的な内容を理解しながら作成することが大切です。

ここでは、青色申告承認申請書の基本的な書き方と、間違えやすいポイントについて解説します。

まず記載する基本情報とは?

青色申告承認申請書には、主に会社の基本情報を記載します。
代表的な記載項目は以下の通りです。

⚫︎ 法人名
⚫︎ 本店所在地
⚫︎ 納税地
⚫︎ 代表者氏名
⚫︎ 設立年月日
⚫︎ 事業年度
⚫︎ 資本金額
⚫︎ 主な事業内容

基本的には、登記簿謄本や定款を確認しながら記入すれば問題ありません。特に重要なのが、「設立年月日」と「事業年度」です。これらは提出期限の判定にも関わるため、誤りがないよう注意する必要があります。

また、「事業内容」については、難しく考える必要はありません。
たとえば、
⚫︎ Web制作業
⚫︎ 不動産賃貸業
⚫︎ 飲食店経営
⚫︎ コンサルティング業
など、実際に行う事業内容を簡潔に記載すれば問題ありません。なお、複数事業を行う予定の場合でも、現時点で主となる事業を書いておけば基本的には問題ありません。

間違いやすいポイントに注意

青色申告承認申請書で特に多いミスが、「設立日」と「開業日」を混同してしまうケースです。
法人の場合、基準となるのは“会社設立登記日”です。実際に営業を開始した日や、銀行口座を作った日ではありません。

⚫︎ 4月1日:会社設立登記
⚫︎ 5月1日:営業開始

だった場合でも、設立日は4月1日として記載します。

この認識を間違えると、提出期限の計算もずれてしまい、期限超過につながる可能性があります。

また、「事業年度」の記載ミスもよくあります。会社設立時には、定款で事業年度を決めていますが、設立初年度だけは通常より短くなるケースもあります。例えば、「毎年3月末決算」の会社を2月に設立した場合、初年度は2か月程度になることもあります。

そのため、通常年度ではなく、初年度の事業年度を正しく確認することが重要です。

さらに、納税地についても注意が必要です。基本的には本店所在地を記載しますが、別の場所で納税管理を行う場合には、記載内容が異なるケースもあります。
初めて会社を設立した場合、「とりあえず書けばいい」と進めてしまいがちですが、こうした細かなミスが後の修正対応につながることもあるため、慎重に確認しながら作成しましょう。

「複式簿記」の意味を理解しておくことも重要

青色申告では、「複式簿記による記帳」が前提になります。ただ、ここで難しく考える必要はありません。現在はクラウド会計ソフトも普及しており、専門知識がなくても比較的スムーズに帳簿管理を行える環境が整っています。

重要なのは、「なぜ帳簿を整えるのか」を理解することです。
会社経営では、
⚫︎ どれくらい利益が出ているか
⚫︎ 毎月いくらお金が残っているか
⚫︎ 固定費は増えすぎていないか
⚫︎ 税金を払える資金が確保できているか
を把握する必要があります。

しかし、帳簿管理が曖昧だと、経営者自身が会社の数字を正しく把握できなくなります。実際、売上が増えていても資金繰りが悪化する会社は少なくありません。これは、「利益」と「お金の流れ」を管理できていないことが原因になるケースも多いのです。

青色申告制度は、単に税務署へ提出するための制度ではなく、“会社のお金を見える化する仕組み”でもあります。だからこそ、申請書作成の段階から、「今後どのように経理管理を行っていくか」という視点を持つことが大切です。

e-Taxで提出する場合の注意点

現在では、青色申告承認申請書をe-Taxで提出する法人も増えています。電子申請であれば、税務署へ直接行く必要がなく、オンライン上で提出できるため、設立直後の忙しい時期には非常に便利です。

ただし、電子申請の場合も、入力内容のミスには注意が必要です。
⚫︎ 法人番号
⚫︎ 設立年月日
⚫︎ 事業年度
⚫︎  提出先税務署
などは、誤入力が起きやすいポイントです。送信後は必ず受付結果を確認し、控えデータを保存しておきましょう。

実務上、「送信したつもりだったが完了していなかった」「データ保存をしておらず提出証明ができなかった」というケースもあります。
青色申告承認申請書は、会社設立後の税務体制を整える重要な第一歩です。記入自体は難しくありませんが、提出期限や記載内容を正しく理解したうえで進めることが、今後の経営管理や税務対応をスムーズにするポイントになります。

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実は多い「青色申告で失敗する会社」の特徴

青色申告は、法人にとって多くのメリットがある制度です。しかし一方で、「青色申告にしておけば安心」と考えてしまい、実際には制度をうまく活用できていない会社も少なくありません。特に会社設立直後は、売上づくりや営業活動に意識が向きやすく、経理や税務管理が後回しになりがちです。その結果、せっかく青色申告を選択していても、資金繰りが悪化したり、税務トラブルにつながったりするケースがあります。
重要なのは、青色申告を提出したことではなく、青色申告を活かせる経営体制を作れているかです。

ここでは、実際によく見られる「青色申告で失敗しやすい会社」の特徴について解説します。

申請だけ出して帳簿管理ができていない

最も多いのが、「青色申告承認申請書だけ提出して満足してしまうケース」です。
青色申告は、承認を受ければ自動的にメリットを受けられる制度ではありません。適切な帳簿作成や領収書保存、会計管理を行うことが前提になります。

しかし実際には、
⚫︎ 通帳をほとんど確認していない
⚫︎ 領収書が整理されていない
⚫︎ 会計入力を数か月放置している
⚫︎ プライベート支出と会社経費が混在している
といった状態になっている会社も少なくありません。

創業初期は営業や現場対応に追われるため、経理が後回しになる気持ちは理解できます。しかし、数字を把握しないまま経営を続けると、「利益が出ていると思っていたのにお金がない」という状況になりやすくなります。

青色申告の本質は、税務署へ提出することではなく、会社のお金の流れを管理できるようにすることです。そのため、申請後も継続的に帳簿管理を行い、毎月の数字を確認する習慣を作ることが重要です。

節税ばかり意識して利益管理ができていない

創業間もない会社でよくあるのが、「とにかく税金を減らしたい」という考え方です。もちろん、合法的な節税は重要です。しかし、“利益を減らすこと”ばかりに意識が向くと、会社経営そのものが不安定になるケースがあります。

たとえば、
⚫︎ 必要以上に経費を使う
⚫︎ 利益を出すことを避ける
⚫︎ 決算前に無理な支出を増やす
といった行動です。

一時的には税金が減るかもしれませんが、同時に会社に残る資金も減ってしまいます。

特に創業期は、資金繰りが経営の生命線です。利益が出ていても現金が不足すれば、会社運営は苦しくなります。また、金融機関は「利益を出せる会社か」を重視するため、過度な節税によって利益を圧縮しすぎると、融資審査で不利になることもあります。

青色申告の目的は、税金をゼロにすることではありません。適切に利益を管理し、会社を安定成長させることが本来の目的です。だからこそ、節税だけではなく、「どれくらい会社に利益を残すべきか」という視点も重要になります。

経理を後回しにして資金繰りが悪化する

創業初期の会社で特に危険なのが、「売上だけを追いかけて資金繰りを見ていない状態」です。実際には、売上が増えている会社でも倒産するケースはあります。その原因の多くが、“資金繰り管理不足”です。

⚫︎ 売掛金回収前に支払いが先行する
⚫︎ 税金や社会保険料を考慮していない
⚫︎ 利益は出ているが現金が不足している
といったケースです。

青色申告によって帳簿管理を行っていても、その数字を経営判断に活かせていなければ意味がありません。
本来、会計数字は、
⚫︎ 今月いくら利益が出たか
⚫︎ 来月の支払いはいくら必要か
⚫︎ 税金はいくら発生しそうか
⚫︎ 資金はあと何か月持つか
を把握するためにあります。

しかし、決算直前になってまとめて会計処理をしている会社では、リアルタイムで経営状況を把握できません。特に創業初期は、「利益」よりも「キャッシュ」が重要になる場面も多くあります。だからこそ、経理を単なる事務作業として考えるのではなく、経営管理として捉えることが大切です。

税理士へ「申告だけ」を依頼している

税理士へ依頼していても、「決算申告だけ」の関係になっている会社は少なくありません。もちろん、申告書作成は重要な業務です。しかし、創業期の会社に本当に必要なのは、数字をもとに経営相談できる環境です。

⚫︎ 資金繰りは安全か
⚫︎ 役員報酬はいくらが適正か
⚫︎ 消費税課税事業者になるべきか
⚫︎ 設備投資のタイミングはどうか
⚫︎ 融資を受けるべきか
など、経営には税務以外の判断も数多く存在します。

しかし、「決算時だけ連絡を取る関係」では、こうした相談ができず、結果的に経営判断が遅れてしまうケースがあります。特に会社設立後は、税務・財務・資金調達・経営計画が密接につながっています。

そのため、単に申告書を作るだけではなく、「会社をどう成長させるか」という視点で相談できる体制を整えることが重要です。

提出で終わらせず、経営改善につなげることが重要

青色申告承認申請書は、会社設立後に提出する重要な書類です。しかし、本当に重要なのは、その後どのように数字を管理し、経営に活かしていくかです。

実際、成長している会社ほど、
⚫︎ 毎月数字を確認している
⚫︎ 利益率を把握している
⚫︎ 資金繰りを予測している
⚫︎ 将来の投資計画を立てている
という共通点があります。

一方で、経営が不安定になる会社ほど、「税金計算のためだけ」に会計を使ってしまいがちです。

青色申告は、単なる節税制度ではありません。会社のお金の流れを整理し、経営判断を支える経営インフラでもあります。だからこそ、「提出して終わり」にするのではなく、経営改善につなげるための制度として活用していくことが大切です。

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