中小企業の事業承継では「後継者がいるかどうか」に注目が集まりがちですが、実務の現場ではそれ以上に深刻な問題となるのが株式の分散です。創業者が保有していた株式が、相続や贈与などをきっかけに親族や関係者へ分散してしまうと、後継者が社長に就任しても十分な経営権を持てないケースが生まれます。場合によっては、会社の重要な意思決定ができなくなったり、親族間のトラブルに発展したりすることも少なくありません。
本コラムでは、事業承継でよく問題となる「株式の分散」とは何か、その原因やリスク、そして事前に防ぐための具体的な対策について分かりやすく解説します。
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この記事の目次
株式分散を防ぐために事業承継で最初にやるべきこと ![]()
株式の分散は、一度起きてしまうと解消に時間やコストがかかり、場合によっては親族間のトラブルに発展することもあります。そのため、事業承継では「分散してしまった株式をどう整理するか」よりも、そもそも分散させない設計を早い段階で行うことが重要です。ここでは、株式分散を防ぐために事業承継の初期段階で取り組むべきポイントを解説します。
現在の株主構成を正確に把握する
まず最初に行うべきなのは、自社の株主構成を正確に把握することです。中小企業では、創業から長い年月が経つ中で株式が少しずつ移転し、経営者自身が「誰がどれだけ株式を持っているのか」を把握できていないケースも少なくありません。
株主構成を確認する際には、次のような点を整理します。
⚫︎ 現在の株主の一覧
⚫︎ 各株主の保有株式数
⚫︎ 議決権の割合
⚫︎ 親族・役員・従業員など株主の関係性
これらを可視化することで、経営権がどの程度集中しているのか、また将来的に分散リスクがあるのかを把握できます。特に、相続が発生した際には株式が法定相続人へ分割される可能性があるため、現状の株主構成を基に将来のリスクを想定することが重要です。
自社株の評価額を把握しておく
次に重要なのが、自社株の評価額を把握することです。非上場企業の株式は市場価格がないため、相続税評価などの方法によって価値が算定されます。企業の業績が良い場合には株価が高くなり、株式を後継者へ移転する際の税負担が大きくなる可能性があります。
株価が高騰した状態で事業承継を進めようとすると、
⚫︎ 贈与税が高額になる
⚫︎ 相続時の税負担が大きくなる
⚫︎ 株式移転が進まず結果的に分散する
といった問題が起こりやすくなります。
そのため、早い段階で株価を把握し、必要に応じて株式移転のタイミングや方法を検討することが大切です。税制や制度を活用することで、税負担を抑えながら株式を後継者へ集中させることも可能になります。
後継者へ株式を集中させる設計をする
株式分散を防ぐための基本的な考え方は、経営権を後継者へ集中させることです。中小企業では、社長=株主であるケースが多く、経営判断のスピードを保つためにも株式の集中は重要なポイントになります。
よくあるケースとして、相続対策として子ども全員に株式を均等に分けてしまう例があります。しかしこの方法は、将来的に経営権の争いを生む可能性があります。会社を継ぐ後継者には株式を集中させ、その他の相続人には別の資産で調整するなど、経営と相続の両方を考慮した設計が必要です。
また、場合によっては種類株式などの制度を活用することで、議決権をコントロールしながら株式を保有してもらう方法もあります。こうした仕組みを検討することで、株式の分散による経営リスクを抑えることができます。
長期的な事業承継計画を立てる
株式分散を防ぐためには、事業承継を短期間で進めようとしないことも重要です。多くの中小企業では、経営者が高齢になってから急いで承継を進めようとするケースが多く、その結果として株式移転が不十分になったり、相続によって株式が分散したりすることがあります。
理想的には、5年〜10年程度の時間をかけて承継計画を進めることが望ましいとされています。計画的に株式を移転していけば、税負担を抑えながら後継者へ株式を集約することが可能になります。また、株主や親族への説明も丁寧に行うことで、将来的なトラブルを防ぐことにもつながります。
事業承継における株式の分散は、後から解決するのが難しい問題の一つです。しかし、株主構成の把握や株価評価、株式の集中設計などを早い段階で行っておけば、多くのリスクを未然に防ぐことができます。会社の将来を守るためにも、事業承継は「いつか考える問題」ではなく、早い段階から専門家とともに計画的に進めていくことが重要です。
お問い合わせはこちらなぜ株式は分散してしまうのか

中小企業の事業承継では、意図せず株式が分散してしまうケースが少なくありません。経営者自身は「会社は後継者に任せるつもりだった」と考えていても、株式の配分が整理されていないまま相続や贈与が行われることで、結果として株主が増え、経営権が曖昧になってしまうのです。
ここでは、実際の中小企業でよく見られる株式分散の主な原因について解説します。
相続によって株式が分かれてしまう
株式分散の最も多い原因が相続による分割です。非上場企業の株式も財産の一つであるため、経営者が亡くなると他の資産と同様に相続の対象となります。
相続人が複数いる場合、遺言や承継計画がないと、株式は「配偶者・子ども・(場合により)孫や親族」というように分割されることがあります。
こうして株式が複数の相続人に分散すると、後継者が社長に就任しても株式の過半数を持てず、経営の最終決定権を持たない状態になることがあります。さらに次の世代で再び相続が発生すると、株主の人数が増え続け、経営権のコントロールが難しくなるケースも珍しくありません。
節税目的の株式贈与
相続税対策として、家族へ株式を贈与することも株式分散の原因になることがあります。税負担を軽減するために、配偶者や子ども、場合によっては親族へ株式を少しずつ贈与するケースは少なくありません。
短期的には税金対策として有効に見えることもありますが、承継の視点が十分に考慮されていない場合、次のような問題が起こる可能性があります。
⚫︎ 後継者以外の親族が株主になる
⚫︎ 株主の人数が増える
⚫︎ 将来的に株式を集約するのが難しくなる
特に、経営に関わらない親族が株主になった場合、会社の意思決定に関与する権利だけが残り、経営と所有が分離してしまうリスクがあります。
従業員や役員への株式付与
創業期や会社の成長過程で、役員や従業員に株式を渡すケースもあります。これは会社への貢献に対する報酬や、経営への参加意識を高める目的で行われることがあります。
しかし、このような株式付与が将来的に問題になることもあります。例えば、次のようなケースです。
⚫︎ 退職した元役員が株主のまま残る
⚫︎ 関係が薄くなった元従業員が株主として存在する
⚫︎ 株式の買い戻しが難しくなる
こうした状況になると、会社の重要な意思決定に関わる株主の中に、経営に関与していない人物が含まれる状態が生まれます。その結果、株主間の利害が一致せず、意思決定に時間がかかることもあります。
創業時の安易な株式配分
株式分散の原因として意外と多いのが、創業時の株式配分です。起業した当初は会社の将来が見えにくく、深く考えずに株式を配分してしまうケースがよくあります。
例えば、
⚫︎ 共同創業者に均等に株式を配分
⚫︎ 資金を出してくれた知人に株式を渡す
⚫︎ 形式的に家族の名義を入れておく
といったケースです。
創業当初は問題にならなくても、会社が成長し株式の価値が上がると、株式の整理が難しくなることがあります。また、創業メンバーの退職や関係性の変化によって、株主構成が経営実態と合わなくなることもあります。
このように、株式の分散は特別な事情によって起きるものではなく、相続・節税・創業時の判断など、日常的な経営判断の積み重ねの中で起きることが多い問題です。だからこそ、事業承継を見据えた株式設計を早い段階から考えておくことが重要になります。株式の扱いを慎重に設計しておくことで、将来的な経営トラブルや親族間の対立を未然に防ぐことにつながります。
お問い合わせはこちら株式分散で実際に起きる経営トラブル

株式の分散は、単に株主の人数が増えるという問題にとどまりません。経営の現場では、株式の分散が原因となって会社の意思決定が滞ったり、親族間の対立が深刻化したりするケースも少なくありません。特に中小企業では、株式=経営権であることが多いため、株主構成の乱れがそのまま経営トラブルへと発展する可能性があります。
ここでは、株式分散によって実際に起こりやすい代表的なトラブルについて解説します。
後継者が社長でも経営権を持てない
株式分散による典型的な問題が、社長である後継者が十分な経営権を持てないケースです。会社では社長が経営を行いますが、法律上の最終的な意思決定は株主総会で行われます。そのため、後継者が社長に就任しても、株式の過半数を保有していなければ、重要な経営判断を自由に行うことが難しくなります。
例えば、役員の選任や解任、定款変更、大きな投資判断などは株主総会の決議が必要です。株式が複数の親族に分散している場合、それぞれの意向が一致しなければ決議が通らないこともあります。結果として、社長がいるのに経営の舵取りができない状態に陥る可能性があります。
親族間の株主対立が起きる
株式分散によって起こりやすいもう一つの問題が、親族間の対立です。特に相続によって株式が兄弟姉妹などに分散すると、会社を継ぐ人と継がない人の間で利害が異なることがあります。
会社を経営する立場の後継者は、将来の成長のために利益を内部留保したいと考えることがあります。一方で、経営に関わっていない株主は、配当を増やしてほしいと考えるかもしれません。このように株主間の考え方が異なると、会社の方針を巡って対立が生まれることがあります。
さらに、株式の割合が拮抗している場合には、株主総会の決議が成立しないなど、会社の意思決定そのものが停滞する事態も起こり得ます。こうした状況は経営の安定性を大きく損なう原因になります。
会社売却(M&A)が進められない
近年では、事業承継の選択肢としてM&Aを検討する企業も増えています。しかし株式が分散している場合、M&Aがスムーズに進まないケースがあります。
会社を売却する際には、通常、株主の同意が必要になります。株主が少数であれば調整は比較的容易ですが、株式が多くの親族や関係者に分散していると、全員の同意を得るのが難しくなることがあります。
例えば、
⚫︎ 株主の一部が売却に反対する
⚫︎ 連絡が取れない株主がいる
⚫︎ 売却条件に納得しない株主がいる
といった理由で、M&Aの話が進まなくなるケースもあります。結果として、会社にとって最適なタイミングでの事業承継の機会を逃してしまう可能性があります。
株主対応に経営者の時間が取られてしまう
株主が増えることで、経営者が本来の経営に集中できなくなるケースもあります。株主が多いと、それぞれに対して会社の状況を説明したり、配当や経営方針について調整したりする必要が生まれます。
特に、経営に関わっていない株主が多い場合には、
⚫︎ 会社の業績に対する説明
⚫︎ 配当への要望
⚫︎ 経営判断への意見
などの対応に時間を取られることがあります。本来であれば事業の成長や戦略に使うべき時間が、株主対応に費やされてしまうのです。
株式の分散は単なる株主数の問題ではなく、経営権・意思決定・事業承継にまで影響を及ぼす重要な経営課題です。特に中小企業では、株主構成が会社の安定性を左右するケースも少なくありません。こうしたトラブルを防ぐためにも、事業承継の段階で株式の集中や整理を意識した対策を検討しておくことが重要です。
株式分散を防ぐための5つの対策

株式の分散は、いったん進んでしまうと整理に時間やコストがかかり、親族間のトラブルへ発展することもあります。そのため、事業承継では「問題が起きてから対応する」のではなく、あらかじめ株式が分散しない仕組みを作っておくことが重要です。ここでは、中小企業が実務上よく活用している株式分散を防ぐための主な対策を紹介します。
後継者へ株式を集中させる
株式分散を防ぐ最も基本的な考え方は、経営を引き継ぐ後継者へ株式を集中させることです。中小企業では「所有と経営」が一体となっているケースが多く、株式の保有割合がそのまま経営権の強さにつながります。
例えば、相続の際に子ども全員へ株式を均等に分けてしまうと、後継者の持株比率が低くなり、経営判断が難しくなる可能性があります。そのため、会社を継ぐ人には株式を集約し、それ以外の相続人には不動産や預金など別の資産で調整する方法がよく検討されます。
このように、「相続の公平」と「経営の安定」を両立させる設計を考えることが、株式分散を防ぐうえで重要なポイントになります。
事業承継税制を活用する
株式を後継者へ集中させる際に問題となるのが、贈与税や相続税の負担です。自社株の評価額が高い場合、株式を一度に移転すると多額の税金が発生することがあります。
こうした税負担を軽減する制度として活用されるのが事業承継税制です。この制度を利用すると、一定の条件を満たすことで、後継者が取得した自社株にかかる相続税や贈与税の納税が猶予される仕組みがあります。
事業承継税制を活用することで、税負担を理由に株式を分散させる必要がなくなり、後継者へ株式を集中させやすくなるというメリットがあります。ただし、制度には適用要件や手続きがあるため、事前に専門家と相談しながら計画的に進めることが大切です。
種類株式を活用する
株式分散対策として、種類株式を活用する方法もあります。種類株式とは、議決権や配当などの内容を通常の株式と異なる形で設定できる株式のことです。
例えば、次のような設計が可能です。
⚫︎ 後継者には議決権のある株式を集中させる
⚫︎ 他の相続人には議決権のない株式を持ってもらう
⚫︎ 配当優先株式を活用する
このような仕組みを使えば、経営権は後継者へ集中させながら、他の家族にも一定の経済的利益を確保することができます。種類株式は設計の自由度が高いため、相続と経営のバランスを取る手段として活用されることがあります。
持株会社(ホールディングス)を活用する
企業規模や事業内容によっては、持株会社を活用する方法も検討されます。持株会社とは、グループ会社の株式を保有する会社であり、経営のコントロールを行う役割を持ちます。
この仕組みを使うことで、事業会社の株式を持株会社へ集約する、経営権を持株会社で管理するといった形で、株式の管理を整理することができます。特に、複数の事業を展開している企業や将来的にM&Aを視野に入れている企業では、持株会社の活用によって経営権の安定と事業承継の柔軟性を高めることができます。
株主間契約を整備する
株式分散を完全に防ぐことが難しい場合には、株主間契約を整備する方法もあります。株主間契約とは、株主同士で株式の取り扱いや経営方針について取り決めを行う契約のことです。
例えば、次のような内容を定めることがあります。
⚫︎ 株式を第三者へ売却する際のルール
⚫︎ 株式の譲渡制限
⚫︎ 経営方針に関する合意事項
こうした取り決めをあらかじめ行っておくことで、株主間のトラブルを防ぎ、会社の意思決定を円滑に進めることができます。株式の分散を完全に避けることができない場合でも、ルールを整備することで経営リスクを抑えることが可能になります。
株式分散を防ぐためには、一つの対策だけでなく、会社の状況に応じて複数の方法を組み合わせることが重要です。特に、株式移転のタイミングや税務の影響は企業ごとに異なるため、事業承継の初期段階から専門家と相談しながら進めることで、将来的なトラブルを防ぎながらスムーズな承継を実現することができます。
すでに株式が分散している場合の解決方法

株式の分散は、時間の経過とともに自然に解消されるものではありません。むしろ相続や株式の譲渡をきっかけに、さらに株主の人数が増えていくケースも多く見られます。そのため、すでに株式が分散している場合には、早い段階で整理の方向性を検討することが重要です。ここでは、中小企業の実務でよく検討される代表的な解決方法を紹介します。
株式の買い取りによって集約する
最もシンプルな方法が、後継者や会社が株式を買い取る方法です。株式を保有している親族や関係者から株式を買い戻すことで、株式を後継者へ集約することができます。
例えば、会社を継がない兄弟姉妹や退職した役員などが株主になっている場合、双方が合意すれば株式を買い取ることで株主構成を整理することが可能です。株式の評価額や資金の準備など検討すべき点はありますが、株主数を減らし、経営権を集中させるうえで比較的わかりやすい方法といえます。
ただし、株主の数が多い場合や株式の評価額が高い場合には、資金面での負担が大きくなることもあるため、慎重な検討が必要です。
会社による自己株式の取得
株式の整理方法として、会社自身が株式を取得する「自己株式取得」という方法もあります。これは会社が株主から自社株を買い取り、その株式を会社が保有する仕組みです。
自己株式取得を活用すると、株主の人数を減らしながら株式を整理することができるため、分散している株式の集約に役立つケースがあります。また、取得した自己株式を将来的に後継者へ移転するなど、事業承継の一環として活用されることもあります。
ただし、会社の資金を使って株式を取得することになるため、会社の財務状況や税務上の影響などを十分に検討したうえで進めることが大切です。
組織再編を活用する
株式分散が大きく進んでいる場合には、組織再編の手法を活用する方法もあります。例えば、株式交換や株式移転などの手続きを通じて、株式の構造を整理することが可能です。
こうした手法を活用することで、
⚫︎ 株主構成を整理する
⚫︎ 持株会社体制へ移行する
⚫︎ 経営権を特定の会社へ集約する
といった形で、株式分散による問題を構造的に解決することができます。特に、事業規模が大きく複数の事業を展開している企業では、組織再編を通じて株式管理を整理するケースもあります。
ただし、組織再編は手続きが複雑で税務面の影響も大きいため、専門家と連携しながら慎重に進める必要があります。
M&Aによる事業承継を検討する
株式分散が進み、社内での整理が難しい場合には、M&Aによる事業承継を検討することも一つの選択肢です。第三者へ会社を譲渡することで、株式の整理と事業承継を同時に進めることができます。
近年では後継者不足を背景に、M&Aによって事業を引き継ぐケースも増えています。株式が複数の親族に分散している場合でも、全体として合意形成ができれば、会社の将来を守るための選択肢となる可能性があります。
このように、すでに株式が分散している場合でも、状況に応じてさまざまな解決方法が存在します。重要なのは問題を放置せず、会社の将来を見据えた株主構成の整理を進めていくことです。
お問い合わせはこちら株式分散を防ぐために事業承継で最初にやるべきこと

株式分散を防ぐためには、問題が起きてから対応するのではなく、事業承継を見据えた準備を早い段階から進めておくことが重要です。多くの中小企業では、経営者が高齢になってから慌てて承継を検討するケースが多く、その結果、株式の整理が十分に行われないまま相続が発生してしまうことがあります。
ここでは、株式分散を防ぐために事業承継の初期段階で取り組むべきポイントを解説します。
株主構成を正確に把握する
最初に行うべきことは、現在の株主構成を正確に把握することです。創業から長い年月が経過している会社では、株式の移転が繰り返される中で、経営者自身が株主構成を十分に把握できていないケースもあります。
株主構成を整理する際には、
⚫︎ 株主の一覧
⚫︎ 各株主の持株割合
⚫︎ 株主と会社との関係性
などを明確にすることが重要です。これらを整理することで、現在の経営権の状況や将来的な分散リスクを把握することができます。
自社株の評価額を確認する
次に重要なのが、自社株の評価額を確認することです。非上場企業の株式は市場価格がないため、税務上の評価方法によって株価が算定されます。業績が良い企業では株価が高くなり、株式を後継者へ移転する際の税負担が大きくなる可能性があります。
株価が高い状態で承継を進めようとすると、税負担の問題から株式を分散せざるを得なくなるケースもあります。そのため、早い段階で株価を把握し、株式移転のタイミングや方法を計画的に検討することが重要になります。
後継者と株式承継の方針を決める
株式分散を防ぐためには、誰に経営を引き継ぐのかを明確にすることも重要です。後継者が決まっていない状態では、株式をどのように配分するべきか判断が難しくなります。
事業を継ぐ後継者が決まった場合には、その人が経営を安定して行えるように、株式を集中させる方針を検討する必要があります。会社を継がない家族とのバランスも考慮しながら、相続や贈与の方法を設計していくことが大切です。
長期的な事業承継計画を作る
事業承継は一度の手続きで完了するものではなく、長い時間をかけて進めていくプロセスです。理想的には5年から10年程度の期間をかけて、段階的に株式を移転していくことが望ましいとされています。
長期的な承継計画を立てることで、
⚫︎ 税負担を抑えながら株式を移転できる
⚫︎ 親族や株主との合意形成が進めやすい
⚫︎ 経営の引き継ぎを段階的に行える
といったメリットがあります。
株式分散は、事業承継において見落とされがちな問題ですが、放置すると会社の意思決定や経営の安定性に大きな影響を与える可能性があります。だからこそ、株主構成の把握や株価評価、承継方針の整理などを早い段階から進め、計画的に株式を承継していくことが重要です。企業の状況に応じた適切な対策を検討することで、将来のトラブルを防ぎながら円滑な事業承継を実現することにつながります。
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